私がシュタイナーに出会ったのは26歳の時でした。
何も知らない私の目の前に現れたのは、シュタイナー幼稚園に通う子どもたち。
卒園式の練習をしていたその子たちが、私には『天使』に見えました。
私の知らない世界でした。
数日間、カルチャーショックで微熱を出すほどの『知らない世界』との出会い。
それまでの疑問の答えがあるような、それでいて過去の自分を否定されているような…
とても複雑な思いがあふれ、思わず逃げたくなるような気持ちでした。
でも、熱が下がっていくと同時に
『知りたい』
と強く思い、シュタイナーの哲学の扉をたたきました。
次に今まで知らなかった世界の扉に気がついたのは、母になった時です。
かつて『子どもが親を選んで生まれてくる』という言葉を聞いた時、
私も「選んできたのだ」と、戸惑いを覚えました。その意識は自分が世界の中心でした。
でも、母になって同じ言葉を思うと、まったく違う意味に感じられたのです。
そしてその「深さ」を、自分自身の「浅さ」を実感しました。
『知りたい…もっとちゃんと知りたい』
そうして、その時にできることを、目の前のことに精一杯向き合おうと心に決めました。
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出会いとは本当に不思議なもので、
まるで導かれたのでは…と思うことがたびたび起こります。
バイオグラフィーワークに出会った時の私も、まさにそれでした。
なんと、間違って注文してしまった本が、
『バイオグラフィー・ワーク入門(グードルン・ブルクハルト著 樋原裕子訳)』だったのです。
幼児教育からシュタイナーに出会った私は、学びを続けるうちに、
自分を含めて「子どもたちを幸せにするにはまず、
大人が癒されなければ、気づかなければいけない…」
という思いがとても強くなっていきました。
でも、自分が何を具体的にすればよいかが分からずにいたのです。
さまざまな葛藤を抱えつつも、シュタイナーの哲学に支えられ、
師のもと仲間とともに学びを続けていました。
そんな時に「たまたま偶然出会った」その本から、
私はまたバイオグラフィーワークという新しい扉をあけることができたのです。
それからは夢中で学びました。
今まで“点・点”のまま私の内の宙に浮いていた疑問が、
バイオグラフィーワークの学びの中で、どんどん“線”となって繋がっていくように感じた時、
私の人生は自分の使命を果たすためにしっかりと息づいていたのだ…
と気づくことができるようになっていました。
知れば知るほど奥が深くて、『知りたい』気持ちは続いています。
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この絵は、
私が惑星「月」のワークの時に描いたものです。
この中に、現在・過去・未来への気づきが詰まっています。
26歳の時にはじめに思った疑問「選んで生まれてくる」ことの答えは永遠に分からないかもしれません。が、“バイオグラフィーワークの手法”で学びを重ねていくうちに、いくつでも新しい自分と出会うことができます。
この絵を最初に描いた時に私が気づいたことは、私の中にずっと残っています。
でも、見直すたびに新しい気づきが起こって、過去の自分を愛おしく思えるのです。
過去の愚かささえも愛おしく感じる…そんな風に思えるようになったのは、
導師と同志、家族、友人、世界(宇宙)のあらゆる存在のおかげです。
出会ってくれてありがとうと心から感謝しています。
この感謝の思いを、どんな言葉を尽くしても言い表せませんが、
心から思う真実は必ず“存在する”と信じて疑いません。
一人でも多くの方とつながれますように。
(vol.12▶岩田 千亜紀/東海/6期)
※岩田 千亜紀さんがコースリーダーを務める「バイオグラフィーワーカー養成・ベーシックコース名古屋」が9月24日から開講されます。現在受講生を募集中です。つながり、出会い…響いた方はぜひ「バイオグラフィーワーク・ジャパン」のHPからお申し込みください。
※次回は、大庭 富美香さん(九州/5期)のリレーコラムです。どうぞお楽しみに。