30半ばを過ぎ、私はもやもやしていた。このままの人生でいいのか。人として大切なものが自分には欠けているのではないか。もしかして私の人生は失敗?
お風呂に入って自分ひとりになると、そんな思いがもやもやと頭によぎってくるのであった。そんな時に出会ったのが、バイオグラフィーワーク。ちょうど学んでいらっしゃる方に「卒業するのに必要だから」と、教育実習ならぬワーク実習に参加させていただいた。忘れもしない。会議室の無機質な空間にキャンドルと花をもって、その方はあらわれた。度肝をぬかれた。輪の中心に花を置いて、少しずつ静かな時間が過ぎていく。心地よかった。もっとこんな時間がほしい。少し怖いけど、自分の人生を考えたい、そんな思いにかきたてられた。本を読んでみると、私は「問い」の時代にいることがわかった。ちょうどいいではないか。今、私は人生の迷いだらけ、まさに「問い」たいのだ。一緒に学んでみようと誘ってくださる尊敬すべき友人に導かれ、私はバイオグラフィーワークの学びに足を踏み入れた。
今、足を踏み入れてどうだったのだろうと考える。月並みな言い方だが「良かった」としか答えようがない。ちょっとだけはじめる当初には期待していた、自分の性格がマシになるとか、そんなことではない。自分に起こった良いも悪いも人生の出来事のひとつひとつが今の自分を作ってくれているというどこか感謝に似た気持ちと、褒められるような人生ではないかもしれないがでも悪くはないなというどこか誇らしい気持ちが、自分の中に作ってもらえた気がする。そして、一緒にワークをした仲間の皆さまと共に生きてきた感覚もあり、それが日々に勇気をあたえてくれている。
もちろん「個人の感想です」が、今は「良かった」としか答えようがない。
(vol.26▶奥野 美和子/関西/4期)
※次回は、内村 真澄さん(関東/4期)のリレーコラムです。どうぞお楽しみに。