夕方の小学生クラスが終わった帰り道、
ホッと心が満たされる。
自主保育から始まった保育園で、月1回のシュタイナークラスをするようになって18年。
そこを卒園したこどもたちと放課後クラスをするようになって8年。
今は5〜10名の4つのクラスができ、卒園後も長く関わっているこどもたちがたくさんいる。
親子クラスも18年になる。
私も我が子が小さい時、子育てに行き詰まって泣きたくなる経験がたくさんあった。
一生懸命我が子と向き合おうとするお母さん方の力になりたい─そんな思いだったと思う。
クラスの数は、増えたり減ったり。
参加が1組のこともあったが、毎月休むことなく開催している。
どの活動も、初めのころは“シュタイナー的に”と躍起になっていた。
ライゲン、テーブル劇、手仕事、ぬらし絵、フォルメンなどの講座や人智学講義に参加し、
勉強会も重ねた。それは私の活動の土台となっているけれど、
参加してくれている人は“シュタイナー的に”とこだわっていない事にも気づいて、
今は肩の力も少し抜けた。
それでもクラスの始まりには、シュタイナーの“祈りの言葉”をする。美しい言葉だ。
この言葉を共に唱えられることに、この活動の意義があると思うようになった。
現代、ものすごい勢いでデジタル社会になり、
“こども時代を守る”ことがますます難しくなってきている。
こだわりが強い子、繊細な子も多くなってきていると感じる。
この生きづらい世の中を、こどもたちは頑張って生きているのだ。
「あなたには すばらしいところが たくさんあります」
私の活動リーフレットにそう添えている。
どんな人の中にもかけがえのない霊的存在を感じ取ることを、忘れないようにしていきたい。
バイオグラフィーワークとの出会いも18年前。
誘われて始めたことだったけど、今でも学び続ける不思議さも感じている。
どれも37歳、第2ムーンノウドから始まった出来事。
続けてきた多くのクラスとバイオグラフィーワークは18年。
もうすぐ第1ムーンノウドになり、私自身は第3ムーンノウドへ。
何が待っているのだろう。
毎年、こどもたちが卒園する時、羊毛と貝殻で作った天使を贈っている。
いつも天使が見守っていることを伝えたくて。
卒業する小学生には、シュタイナーのマントラと水晶を贈っている。
目に見えない世界もこの物質界も、しっかり歩んで欲しくて。
小学生クラスの最後に、みんなでいう言葉がある。
今日の行いは終わりました
学んだものを休ませましょう
私の心の中に芽を出して
智恵と愛と力となりますように
私が世界の人々に
良いことをなすことができますように
いつか、このこどもたちがバイオグラフィーを語る時、どんな物語が出てくるのだろう。
心の中で芽を出して、自分でしっかり立って生きる糧になっているといいなと思う。
(vol.13▶大庭 富美香/九州/5期)
※次回は、酒井 美香さん(東海/9期)のリレーコラムです。どうぞお楽しみに。