· 

人生の綾・バイオグラフィーの彩り

 バイオグラフィーワークを学び始めて数年後、不意にドイツの幼稚園での教師会のひとこまを思い出しました。

 

 夜、灯のともった保育室に集った教師たちが、幼少期の場所・周りの人々について一人ずつ語り継ぎました。干し草の山での幼友達との遊び、祖母との台所仕事など、話を聞きながらドイツの牧歌的な景色を皆で眺めているような静かな時間でした。

 私も懐かしい家を思いだしながら話しました。そして最後に、「たとえ歓迎されない誕生であっても、すべての誕生の瞬間に天使たちが祝福していると信じられる今は、in Ordnung!(すべて佳しと思える)」と言葉を添えました。教師会の終了後、「Yoko よくぞ育ったね」とハグされ、普段交流のない同僚からは「今あなたと出会うことができた」と言葉をかけられ、温かなものが行き交うのを感じました。

 

 通常の教師会と異なる今晩のプログラムは何なのだろう、とその時思案したのでしたが、あれはバイオグラフィーワークの時間だったのだと7年後に気づきました。時を経て、深く沈んでいた意識が立ち上り、今必要なメッセージを送ってくれたのでした。

 

 ワーカーとしてバイオグラフィーワークに参加する今、語られる人生の織りなす綾、その彩りに圧倒され、その符号性に勇気づけられています。星々の力・出会う人々に支えられつつ、それでも人生を貫くのは自分自身だと確信できるのは、バイオグラフィーの恵みです。

 

 私自身は、家族の温かさを希求した若かりし日々から巡り巡って、

“家族を超える”がこれからのテーマになりそうです。

 

 ワタシのテーマは・・・?

 そんな問いを持たれた方、バイオグラフィーワークの旅をご一緒しませんか〜。

 

(vol.5▶宮地 陽子/関東/4期

 

※次回は、諫早道子さん(関西/3期)のリレーコラムです。どうぞお楽しみに。