▌バイオグラフィーワークの概要
自分を知りたければ、周囲の世界へ目を向けよ。
世界を知りたければ、自分の内奥を見つめることだ。
─ルドルフ・シュタイナー
「バイオグラフィーワーク」とは、
自らの人生の軌跡(バイオグラフィー)の中に生きる意味を探究する、
自己教育のプロセスです。
具体的には、クレヨンや水彩、粘土など、さまざまな芸術表現の力をかりながら、
シュタイナー教育や医学の根幹をなす人間の成長の「七年周期」に沿って、
個々の人生の経験を深めるプロセスをたどります。
さらにグループとのダイアローグに支えられ、
それぞれの経験の本質へ近づいてゆきます。
◎通常2時間半~3時間程度の内容です。
①本日のワークの導入
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②記憶に働きかけるメモリーワーク
◎人生の一場面を振り返ります。絵や塑像などのアート材料の力をかりながら記憶に働きかけるプロセスで、見えてくるものがあるからです。
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③グループワーク
◎対話と傾聴(ダイアローグ)の手法を用い、2~3人の小グループで場面をシェアします。
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④振り返りの時間
◎人間の普遍性を示す「七年周期の成長のアーキタイプ」と、わたしたちの個人的な経験を照らし合わせる時、“わたし”の独自性と普遍性が見えてきます。それぞれの人生の意味が感じられる一瞬です。
※ワークの内容は、単発の「紹介ワーク」や、テーマを決めて深める「連続ワーク」など多岐にわたります。所要時間や内容についてはご相談ください。
※参加者の対象はおおむね28歳以上の方とし、2~3名以上の小グループから実施できます。
偉人や先達のバイオグラフィーを研究することで、
そこに普遍的に流れる、人生の課題やテーマが見えてきます。
各地のバイオグラフィーワーカーは、
自分が関心を惹かれた人物について研究し、
発表の場を持つことも大切にしています。
その人生の出来事には
どんな意味があったのか。
その人物の想いは
どこから来たのか。
その社会的な影響とは。
単なる伝記ではなく、バイオグラフィーワークならではの、
七年周期やミラーリングなどの法則性を通して、
その人物の人生や背後にあるものを読み解いていきます。
【これまでの研究事例】
◎ミヒャエル・エンデ ◎ベートーベン ◎与謝野晶子
◎エリザベス・キューブラ=ロス ◎茨木のり子
◎ジョン・レノン ◎杉原千畝 ◎新渡戸稲造など
世界各国に拡がる自己教育プログラム
「バイオグラフィーワーク」の背景には、20世紀の初めにアントロポゾフィー(人智学)を創始したルドルフ・シュタイナー(1961-1925)のはたらきがあります。その後、第二次世界大戦の悲劇を経たオランダで、ベルナード・リーヴァフッドを中心に、人智学の人間観と世界観に基づく大人のための自己教育法が創出されたのが礎となりました。さらに、ブラジルにおけるアントロポゾフィー医学のパイオニア的存在であったグードルン・ブルクハルトによって、「バイオグラフィーワーク」はより実践的かつ具体的に発展してゆきます。1970年代以降は、イギリス南部から世界へと拡がり、今では世界各国において教育やビジネスの場、医療、社会福祉など、さまざまな領域で取り入れられるようになりました。
日本においては、2000年秋に英国在住の近見冨美子氏(現バイオグラフィーワーク・ジャパン代表)」によって紹介され、以来、日本各地に数多くのバイオグラフィーワーカーを輩出し続けています。
バイオグラフィーワークを開催するのに必要な資質を育むために、
2001年から「バイオグラフィーワーカー養成講座」が開催されています。
主催は、一般社団法人バイオグラフィーワーク・ジャパン。
ファウンデーションコースと、それに続くアドヴァンスコース(合計約5年間)
全15モジュールの学びを通して、バイオグラフィーワーカーに必要な知識と資質を磨きます。
養成講座の全過程を修了した人は、バイオグラフィーワークを開催することができます。
※この養成講座は、アントロポゾフィーのインターナショナルセンター「ゲーテアヌム(スイス/ドルナッハ)」のSchool of Spiritual Science, General Sectionに所属する世界養成者フォーラムに承認されています。